退職祝いの熨斗に悩んだとき

会社に勤めた人が退職する時には、その退職者の長年の勤務への慰労や感謝の気持ちを込めて、社員たちが退職者のために宴会を設けたり、退職祝いとしてプレゼントをあげるのは日常的によく見られることです。退職祝いとしてどんなプレゼントをあげようかと大概は迷うもので、またその贈り物に熨斗をつけるかどうかも迷ってしまいます。

無難な熨斗

基本的には退職祝いに熨斗をつけた方が無難です。このことで正式的に感謝の気持ちを伝えることを相手に表現できるし、特に辞める人が上司や定年退職者の時は格式を考慮に入れて、贈り物には必ず熨斗をつけましょう。退職祝いに贈る品物につける熨斗は水引に毛筆で御礼と書くのが基本です。水引の色は紅白を使い、のし紙に水引が印刷されている場合は赤と銀或いは赤と金を使用してください。更に蝶結びのものを使います。水引の本数は五本か七本のものを選びます。のし紙の表書きには御礼と記します。水引の表書きの真下に贈り主の名前を書きます。会社の部署からのプレゼントなら「上下株式会社営業部一同」のように二行で書き、部署名の方を会社名より大きく記し、個人で贈るなら自分の氏名をはっきりと書きます。連名で書く場合は三名までは連名で書いてもよいですが、右から地位の高い順に名前を記します。

連名と表書き

連名が四名以上の時は「一同」と書いた方がいいです。のし紙の表書きや宛名には正式には毛筆を使いますが、毛筆が使いにくい場合は筆ペンやフェルトペンを使って書いて、ボールペンや万年筆は避けてください。筆記用具の色も必ず濃い色の墨や黒インクを使い、他の色は使用しないでください。表書きに書く文字は御礼以外に謹呈としても良く、御礼の言葉よりは正式になるので改まった感じにしたい時には謹呈の言葉をお勧めします。定年まで勤務した人には御祝、御退職御祝などと表書きに祝の文字が入った言葉を書くのは構いませんが、退職者の本意ではない退職の時は祝の文字は避けるべきです。

内熨斗と外熨斗

熨斗のかけ方には「外のし」と「内のし」の二つの方法があります。外のしは包装紙の上にのし紙でくるむことで、これは手渡しなどの贈る目的がすぐに伝わるようにするためです。これに対して内のしは品物にのし紙をかけて、その上から包装紙でくるみ外からはのしが見えないようにします。品物を郵送する時は内のしにして、のし紙が汚れたり水引に傷がつかないようにします。プレゼントなら内のしが良いとされていますが、退職祝いとして手渡しするなら外のしでも構わないでしょう。